レコーディングとMIX
音楽というのは本当に奥深いもので、同じ「音楽」と言ってもジャンルの違い、形態の違い、ライブや録音というアウトプットの方法の違いでその具体的な作業、現れる様相は全く変わってくる。
この1ヶ月、最終MIX作業にまつわる色々をスタジオで見せて頂き、実際に一緒にあれこれと意見を出し合いながら作ってきた3rdアルバムの制作を通して「レコーディング」の奥深さと面白さを味わってきました。
これまでも1st,2ndアルバムを作ってきましたが、スタジオの環境も少しずつ改善され、飛躍的にできることが増えてきたお陰でかなり納得のいく仕上がりになっています。どうしたら好みの音に近づくのかが分かってきました。
音の世界は見えない世界だと認識されているかもしれませんが、実は音像は見えています。特にミュージシャン、レコーディングエンジニアなどの特殊な「耳」を持っている私達はMIX作業でその音像を作っていきます。
それぞれのパートの位置なども重要でその場所によって全体のイメージが変わり、そのパートの役割も変わったりします。
また音質もめちゃくちゃ重要でその質感、テクスチャーはシルクと綿の触った質感の違いと同じくらい明らかに違ってきます。なので一つのパートについて、音量、位置、質感を決めてそれにリバーブやディレイなどをかけていきます。それを全体のバランスを考えながらそれぞれのパートを整えていきます。とてもとても繊細な作業・・・・
ライブでは出せない世界観を作り上げるのがレコーディングの醍醐味かなぁと思います。
聞く人は一つ一つの音の質感を気にして聞くというより、もっと感覚的に心地よさ、情熱、柔らかさ、透明感などを受け取ります。
これは見えない世界の話。音楽はとても感覚的です。そういえば、パソコンの画面に出てくる波形は音を視覚的に見せてくれるところが面白いです。しっかりとした存在としてそこにあります。全ては波、振動です。
見えない世界の話
歌う時、心を整えます。曲の世界に浸り、祈りを露わにします。それらも目に見えない作業ですが、聞いてくださる方には伝わります。思いや在り方が声に乗っていきます。
「心を整える」ことができるようになって色んなことがずいぶん楽になりました。
何か違和感を感じた時にも、自分の中でどうしてそうなっているのか、何が原因なのかが見えてくるので、それを整えていく。見えない世界の話ですが、それはレコーディングのMIXと同じく、整えることで確実に世界が変わってきます。
今に在るというのはこういう事か・・・・としみじみしています。
全体像がだいぶ見えてきました。そうするとなんだか自分が薄くなってきたような感じがしています。 全てと溶け合ってくる・・・